企業ソーシャルイノベーション
ペイパル エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・テクノロジー・オフィサー
スリ・シヴァナンダ (Sri Shivananda)
地球環境を保護するためには、私たち全員がそれぞれの役割を果たす必要があります。もちろん、企業も行動を起こさなければなりません。ペイパルでは、世界中の人々のためにファイナンシャル・ヘルス(収支の均衡、金融への理解などの「お金に対する健康度」)とファイナンシャル・インクルージョン(あらゆる人が金融サービスを享受できること)を実現することをミッションとしていますが、そのためには気候の安定化は不可欠であると考えています。環境維持は自社が社会に与える影響を管理し、従業員を動員し、イノベーションを推進していく上で極めて重要です。
以前にもお話ししたように、ペイパルは温室効果ガス排出量の削減に取り組んでおり、最近では何千もの主要組織・企業とともに気候変動対策を支持する共同宣言である「America Is All In」運動に署名し、パリ協定の目標達成に向けて気候変動対策を継続的に支援しています。2019年には、SBT(Science Based Targets)イニシアチブによって承認された温室効果ガス排出量の削減目標を設定することを約束しました。さらに昨年、世界全体の平均気温の上昇を1.5℃以下に抑えることを目指す「Business Ambition for 1.5C」に署名しました。ペイパルはその取り組みを着実に遂行し、2040年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを表明します。
「パリ協定の中でも最も意欲的な目標である気温上昇を1.5℃以下に抑制することを見据え、排出削減目標を設定したペイパル社を賞賛します。この分野のリーダーとして、ペイパルの行動は業界の基準を高め、サプライチェーンによる気候変動への対策を後押しするでしょう」- Cynthia Cummis, Director of Private Sector Climate Mitigation at World Resources Institute
ペイパルの温室効果ガス排出量の削減目標は、自社の事業活動とバリューチェーンを対象とします。具体的には、以下のような中期目標を掲げています。
- 2023年までに、データセンターにおける再生可能エネルギーの使用量を100%にする
- 2025年までに、事業活動における温室効果ガスの排出量を2019年比で25%削減する
- 2025年までに、当社のサプライヤーの75%が支出額に応じてSBTを採用する
ペイパルは、温室効果ガスの排出量を可能な限り迅速に削減・軽減するために資源を投入しており、これらの目標に向けてすでに具体的に取り組んでいます。2019年は自社のデータセンターで使用するエネルギーの65%が再生可能エネルギーでしたが、2020年には、98%を再生可能エネルギーに切り替えました。また、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量を削減する一環として、当社の取引先を対象とした「ESG(環境、社会、ガバナンス)エンゲージメント」の取り組みを開始し、最近ではCDPサプライチェーンに加盟することによって、取引先にも気候変動の対策を講じるように協力を取り付けています。
ペイパルは、温室効果ガスの排出量を可能な限り迅速に削減・軽減するために資源を投入しており、これらの目標に向けてすでに具体的に取り組んでいます。2019年は自社のデータセンターで使用するエネルギーの65%が再生可能エネルギーでしたが、2020年には、98%を再生可能エネルギーに切り替えました。また、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量を削減する活動の一環として、当社の取引先を対象とした「ESG(環境、社会、ガバナンス)エンゲージメント」の取り組みを開始し、最近ではCDPサプライチェーンに加盟することによって、取引先にも気候変動の対策を講じるように協力を取り付けています。
温室効果ガス削減における補償施策では、当社が大きな事業展開をしている地域でのプロジェクトへの融資、脆弱なコミュニティの支援、そしてペイパルのミッションやバリューの実現に重点を置いています。また、2019年と2020年のペイパルの事業活動の中で、避けることのできなかった気候への影響に対処するために、メキシコの家庭に燃料効率の高い調理器具を設置したり、カナダのブリティッシュ・コロンビア州とブラジルのアマゾン南西部熱帯雨林の多様な森林を保護したりするなど、さまざまなプロジェクトに投資してきました。さらに、1890年代に地元の黒人コミュニティのリーダーたちによって設立された、米国バージニア州リッチモンドの「歴史的なエバーグリーン墓地およびイーストエンド墓地(Historic Evergreen and East End Cemetery)」に関連するプロジェクトにも参加しています。これらの貴重な墓地を修復する取り組みは1990年代後半から行われてきましたが、現在はEnrichmond Foundationが恒久的な管理を行っており、公有地として永続的に保護するための保全地役権の設定、自然環境の保護、コミュニティ活動の場の提供などの再生活動に努めています。
「ユネスコに指定されたバージニア州リッチモンドにある、アフリカン・アメリカン・カルチャーを保護・記念するこの場所の再生活動におけるパートナーにペイパルを迎えることができたことを光栄に思います。リッチモンドの再生活動には、環境保全と環境に配慮した公平性を同時に追求することを重視しています。この聖地の保全活動にご支援いただき、ペイパルの皆さんに感謝いたします」- John Sydnor, Executive Director of the Enrichmond Foundation
気候変動にイノベーションを起こす素晴らしい機会はまだたくさんあります。「気候中立(クライメイト・ニュートラル)」と、より公平な世界経済の構築の両方に役立つフィンテックを提供するために、デジタル分野のファイナンシャル・インクルージョンとクライメイト・レジリエンス(気候変動回復力)の関わりにおける私たちの探求は始まったばかりです。今後もペイパルの温暖化対策に関するさらなる情報を提供していきます。