(この記事は、2022年9月にPayPal Global Newsroomに掲載された翻訳編集記事です)
2004年に山川博功氏が東京で創業したビィ・フォアードは、中古自動車・部品輸出の越境EC成功者として今、最も注目を集めている企業である。アフリカ、アジアでの成功を武器に、今年、米国市場への攻勢を本格化する。
株式会社ビィ・フォアード代表取締役 山川博功氏
同社は現在、日本の中古自動車を中心に、さらに韓国、シンガポール、タイ、英国、アラブ首長国連邦の中古自動車を世界207カ国に輸出している。
世界中の人々は、ビィ・フォアードを通じて、自分が必要なときに、質の高い自動車を手軽に手にすることができる。山川氏のビジネスモデルは、シンプルでわかりやすく、かつ世界中の車ユーザーの「今、欲しい」を的確につかんでいるのだ。代表取締役の山川氏は事業を開始した当初から、このビジネスモデルへの手応えを感じていたと、自信を見せる。
ビィ・フォアードと「25年ルール」が扉を開く
実際、ビィ・フォアードのビジネスは、アフリカやアジアでの成長に加え、米国市場でも好調に成長を続けている。
米国への車の輸出は様々な規制があるが、車両の製造から25年以上経っていれば、これらの輸出規制が緩和され、合法的に米国に輸出できる「25年ルール」があるからだ。
この「25年ルール」を背景に、ビィ・フォアードのサイトでは、米国のエンドユーザーに絶大な人気を誇る日産スカイラインGT-R、三菱ランサーエボリューションIV、ホンダNSX S-ZEROといった、90年代半ばの日本車を数多くラインアップしている。
日本の中古自動車は、世界の中でもトップレベルの品質と、希少性の高さから熱い需要を生んでいる。
山川氏は、「日本人は定期的に自動車を買い替えることを好みます。日本では、2年に1度、車を車検に通し、保安基準を満たしているかどうかを検査することが法律で定められています。そのため、中古車の品質が保たれる一方で、再販価格が下がる傾向にあります」という。また、日本の国土の狭さから、一般的に日本車の多くは走行距離が短いことも品質の高さにつながっているという。
ビィ・フォアードのECサイトに掲載されている中古自動車が高品質で低価格なのは、こうした理由からだ。山川氏は、ビィ・フォアードでは希少価値の高い、新品同様の日本車を見つけることができる楽しさがあると話す。ビィ・フォアードのラインナップは、軽自動車から大型トラックやバスまで、様々なタイプの車を豊富にそろえている。もし、米国では見つけることが難しい特別な車を探しているなら、ビィ・フォアードが最適な選択肢だ。
今後数年間は、米国のエンドユーザーが日本の中古車市場を開拓し続けると見込まれている中で、山川氏は、自動車部品部門の売上が爆発的に伸びると期待している。これまで、輸入日本車の部品の多くは米国内での調達が困難だったが、ビィ・フォアードでは、中古車サイトと平行して部品サイトを運営することで、いつでもどこからでも、最もリーズナブルな価格で欲しい部品が手に入るよう部品部門を強化している。
「例えば、マツダの自動車を購入し、ヘッドライトが壊れたとしましょう。交換部品は入手困難で、修理代も高額になります」と山川氏は述べる。日本の友人に部品の調達、購入、発送を依頼したとしても、多くの人は海外に部品を発送した経験がなく、書類作成や費用について知識もないため、実際にはなかなか難しいのが現状だ。
「当社は、日本に信頼できる流通ネットワークを構築しているため、ビィ・フォアードの自動車部品サイトから該当するヘッドライトを見つけ、ペイパルでクリックするだけですぐに、購入できます。エンドユーザーのお客様にはとても喜ばれているサイトです」と山川氏は自信を見せる。
また、サステナビリティもビィ・フォアードのコアバリューのひとつである。「当社は、廃車になるはずの自動車や自動車部品を回収し、再資源化して社会に戻しています。リサイクルやリユースをせずに、ただ捨ててしまうのは、とてももったいないことだと思います」と山川氏は語る。
ビィ・フォアードで購入できる自動車
より良いものを目指して
「当社がペイパルの決済プラットフォームを採用したのは4年前のことです。ビィ・フォアードの2021年の売上は約4億1,000万ドルでしたが、それにはペイパルの決済システムが大きく寄与しています。実際、この4年間でペイパル決済の利用は10倍に増えています。決済サービスの国際展開を可能にしたペイパルの決済プラットフォームは、当社のビジネスの成長に直接結びついています」と山川氏は振り返る。
日本の中古車を通常ルートで購入するには、外国送金や輸入関税などの多くの書類を作成する必要がある。このような複雑な書類を日常生活で扱う人はほとんどいない。しかし、ペイパルを利用すれば、シャツや靴をオンラインで購入するのと同じように、ワンクリックで自分が欲しい自動車や部品を購入でき、面倒な手続きは一切なしで配送されるわけだ。
ビィ・フォアードは、2022年6月にペイパルの「Pay Monthly」機能※を採用。199ドルから1万ドルの高額商品を9.99%~29.99%の金利で購入し、その総額を6カ月から24カ月にわたって毎月分割して支払うことができる新しい決済サービスだ。山川氏は、この新サービスにより、自動車や自動車部品などの高額商品を、お客様が望むタイミングでより柔軟に、予算内で購入できるようになると確信している。
※「Pay Monthly」は米国のユーザー向けに提供している機能です。
世界中に想いを届ける
ビィ・フォアードのロゴが入った山川氏が思い描く貨物機
ビィ・フォアードは、今後もECサイトによる中古車輸出ビジネスを成長させていくのと同時に、扱うモノは車だけにとらわれず、様々な商品の越境ECをトータルに手掛ける、同社ならではの物流サービスにも視野を広げている。
「私たちの目標は、お客様が必要な時に必要なモノを、できるだけ安く、丁寧にお届けすることです」と山川氏は語り、将来、ビィ・フォアードのロゴが入った貨物機やコンテナが、日本の高品質な商品を世界中に輸送している姿を心に思い描いている。
「当社は、自動車や自動車部品という比較的大きなモノを世界中に輸送しているので、洋服やノートパソコンなど、さまざまな商品をその輸送サービスに加えることで、輸送コンテナのポテンシャルを最大限に引き出せる可能性があります。日本品質とは、商品や想いをお届けすることであり、ペイパルはその実現に大きく貢献しています」(山川氏)
ビィ・フォアードの中古車ECサイトと自動車部品ECサイトはこちらをご覧ください。(日本市場向けサイト)