世界的な新型コロナウイルス感染症拡大を乗り越え、企業が優位性を発揮するために必要なこと

 

ペイパル オムニペイメンツ担当シニアバイスプレジデント

ジム・マガッツ

 

近年、様々な企業が、破産を申請し、閉店し、従業員を解雇する中で、ビジネスが統合されていくのを目にしてきました。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、そうした統合を急激に加速させており、あらゆる規模の企業に影響を与えています。

UBSによる最近のレポートでは、米国の小売販売に占めるECの割合が昨年の15%から25%へ上昇すると予測されており、今後5年間に約10万店が閉店すると推定されます。オンラインへの移行や、とりわけ感染拡大の状況を考慮すると、オフライン(実店舗)で事業を展開する場合は、非接触型の安全な決済手段を実現する必要があります。

都市がロックダウンを解除していく中で、企業は自社のコマース体験を進化させながら消費者の新しい要求に応えていく必要があります。では、どのようにして企業は感染拡大を乗り越え、優位性を発揮することができるのでしょうか。それは、顧客に選択肢を提供し、消費者が最良の価格で購入できるようにし、オンラインとオフラインで差を感じないコマース環境を導入することです。

消費者は、クレジットカード、デジタルウォレット、その他の決済手段、ポイントプログラムなど、自分が好む方法で支払いをしたいと考えています。顧客が決済方法を選択できるようにすることで、売上とロイヤルティが向上します。Ipsosが2018年に実施した調査によると、回答者の25%が、希望する決済方法が利用できないために取引を中止したことがあると答えています。例えばペイパルユーザーの59%が、ペイパルが決済手段に含まれていないことを理由に取引を中止したことがあると回答しているのです。また、回答者の44%は、希望する決済方法やストレスのない決済プロセスを提供している企業で買い物をする可能性が高いことも明らかになりました。

さらに消費者は、好きな時に支払いができる柔軟性を求めています。これはとりわけ、多くの人が収入への影響を受け、商品購入の際に柔軟な決済方法を求めている現在の状況によく当てはまります。そうした柔軟性には、短期および長期の分割払いから、購入と支払いのプロセスを分けた後払い決済まで、さまざまな選択肢が含まれます。

加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済危機により、消費者はますます価格に敏感になっています。ゆえに、最良の価格が提示されていると確信した消費者によるコンバージョン率は高まります。価格比較・クーポン情報を提供するHoneyなどのサービスでは、消費者が欲しい商品の希望価格帯を設定できます。企業は、こうして集約されたデータを利用することで、販売促進が可能な価格帯を正確に理解できるようになります。

オンライン決済のニーズが高まる一方、オフラインとオンラインを組み合わせて展開されるコマース体験はますます増えつつあります。オンラインで購入して実店舗で受け取る、列に並ぶのを避けるために前もって注文しておく、店頭での接触を避けるためにスマートフォンでの支払いやQRコードのスキャンを利用する、といった方法が消費者から求められているのです。

新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる前は、そうした消費者体験が「好まれて」いました。しかし現在では、そのような柔軟な選択肢が消費者から「求められて」いるのです。ビジネスにおけるこうした新しい状況に素早く適応する企業こそが、感染拡大を乗り越え、一歩抜きんでることができるのです。

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