企業ソーシャルイノベーション
ペイパル 環境サステナビリティ担当 ジャクソン・ラブ（Jaxon Love）
アースデイを迎えるにあたり、私たちは気候変動を抑えるという喫緊の課題に向き合わなければなりません。国際連合の気候変動に関する政府間パネルは、36億あまりの人々が、熱波や山火事、豪雨、干ばつなどのリスクが高まっていることによる「気候変動に極めて脆弱な」地域で暮らしていると警告しています。その影響で貧困、食料不足、移住が急激に増加する恐れがあります。
現在の深刻な状況には迅速かつ包括的な対策が必要であり、ペイパルは、温室効果ガス排出量を減らし、かつ全ての人々が気候変動に適応するための経済的サポートを受けるために、多方面で重要な対策を講じています。以下に、私たち一人ひとりがどのようにしてこのムーブメントに参加できるか、実践的なアイデアを挙げています。
温室効果ガスを減らす | 最も脆弱な人々が気候変動に対応できるよう支援する | 私たちの声やプラットフォームを利用してインパクトをもたらす
温室効果ガスを減らす
気候変動による最悪の影響を防ぐには、世界の温室効果ガス排出量を出来るだけ早く、そして2050年までに「実質ゼロ」にしなければならないという科学的事実から目を背けることはできません。
ペイパルでは、Science-Based Targets（科学的根拠に基づく目標）を定め、2040年までに当社全体の排出量を実質ゼロにすることを約束しました。これに関連し、今週、当社の世界中のグローバルデータセンター全体の電力使用量の再生可能エネルギー使用率を100％にするという目標を2年前倒しで達成したことを発表しました。
一人ひとりができること：
- 環境フットプリントを算出する：環境フットプリントを算出し、個人として、また事業者として最も貢献できる分野を把握しましょう。例えば、カリフォルニア大学バークレー校のこちらのような、参照できるツールがオンライン上にはたくさんあります。
- エネルギー源を確認する：あなたの家または会社で、電力会社が提供する再生可能エネルギーを使用するか、ソーラーパネルの設置を検討できます。
- 温室効果ガス排出量の少ない移動手段を選ぶ：出張や旅行で、可能であれば排出量の少ない移動手段を使用し、ハイブリッドまたは電気自動車の購入を検討できます。
- サステナビリティをファッショナブルに：買い物をするとき、すぐに捨てたり交換したりする必要のない、品質と耐久性のより高い製品を購入できます。また、特別なイベントに着ていく洋服はレンタルし、まだ着ることのできる洋服が廃棄されることのないように、古着やリメイクされた洋服の購入を検討できます。
- オンラインショッピングでの返品をよりエコにできるペイパルを選ぶ：ペイパルが提供するHappy Returns はオンラインショッピングの商品の返品を簡素化し、返品プロセスで生じる無駄をなくすことができるサービスです。事業者のオンラインショッピングをよりサステナブルにするお手伝いをすることができます。※米国のみ利用可能
最も脆弱な人々が気候変動に対応できるよう支援する
干ばつ、海面上昇、山火事、暴風雨、その他の気候災害による影響は全ての人が皆平等に影響を受けるわけではありません。気候変動の影響を最も大きく受けているのは、「グローバルサウス」と呼ばれるラテン・アメリカ、アフリカ、アジアなどの地域で、不安定な天候下で農業を営む農家や、命に危険を及ぼす熱波や深刻な河川の氾濫に直面している米国南部に暮らす黒人コミュニティといった、社会的に不利な立場に置かれている人々です。
ファイナンシャル・サービスのデジタル化は、必要なサービスを十分に受けていない「気候変動に極めて脆弱な」地域に暮らす人々の経済力や気候変動に対するレジリエンスを高め、貯蓄や収入を得る手助けをすることができます。ペイパルは昨年、当社のデジタルプラットフォームを活用して10億人規模で気候レジリエンスに向けたソリューションを構築するためのグローバルタスクフォースを編成しました。
一人ひとりができること：
- 慈善団体を支援する：発展途上国や環境問題の影響を受けやすい小さな島国で活動する団体による気候変動プロジェクトを支援することができます。例えば、環境に優しい調理用ストーブを女性に提供している団体やマングローブ林を回復させるプロジェクトに寄付することで、気候変動の影響を最も受けているコミュニティの雇用創出や経済力の向上に貢献することができます。
- 環境に配慮した経済活動を支援する：ソーラー・システムの設置や都市型農業などを通じて恵まれない個人やコミュニティが環境に配慮した経済活動の恩恵を受けるために行われているボランティア活動や団体への支援をすることができます。
- 小規模ベンチャー企業や起業家に融資する：Kiva のようなプラットフォームを使用して小口融資を行うことで、発展途上国の小規模農家やその他のビジネスを直接支援できます。
- 気候変動の公平性に向けた活動に参加する：Digital Finance for Climate Resilienceのようなウェブサイトを通じて、個人として、また会社として気候問題の解決に向けたイノベーションにどのように貢献できるかを学ぶことができます。
私たちの声やプラットフォームを利用してインパクトをもたらす
環境活動家であり、初のアフリカ人女性ノーベル賞受賞者であるワンガリ・マータイは、「声を上げないのであれば、あなたの環境主義は何の意味もなしません」と述べました。フィンテック産業の分野でFortune 500企業に選出されたペイパルはグローバルなデジタルプラットフォームを有しており、今後も多方面で気候変動に関する活動を提唱していきます。
一人ひとりができること：
- 啓発し、提唱する：気候変動について個人として友達や家族と話し合い、また企業としてサステナブルな活動に取り組んでいることを顧客に知らせることができます。
- 意識的に買い物をする：好きなブランドや企業が気候変動についてどのような取り組みをしているかを意識し、調べることができます。
- 声を届ける：国の環境対策について知りましょう。そして、あなたやあなたのコミュニティにとってなぜ気候変動対策が重要かを政治家に電話や手紙で伝えることができます。
ペイパルのビジネスを動かしているのは当社で働く社員であり、これは当社の環境保全対策についても同じことが言えます。深刻な課題が山積みではありますが、私たちはより良い未来を築く手助けをしようと固く決意しており、この分野における社員の声と熱意あるサポートに感謝しています。これからも社員一人ひとりの貢献が合わさって、世界中のコミュニティに社会的かつ環境的なインパクトをもたらすことができると確信しています。時に課題の波に圧倒されそうになることもありますが、固い決意を保ち、希望を持ち続けることで乗り越えていけます。
森林再生のために寄付を募ったり、気候変動に対するレジリエンスの高いフィンテックソリューションを開発しているスタートアップを支援したり、子供たちに自然遺産を守る教育を行ったり、成すべきことは本当に多くありますが、このような一つ一つの活動の積み重ねが温室効果ガス排出量実質ゼロの実現につながっていくことでしょう。
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